大人のたしなみ(ドッペルゲンガー2)
2019年1月19日 エッセイ大人になってもう随分経つが、昔からの趣味嗜好というものはあまり変わらないでいる。
昔からで変化したものといえば、
例えば食事の量。
例えば運動の量。
特に運動の量は、若い頃に比べてぐんと増えた。
趣味の献血をしたいのに、肝臓の数値が高くてダメだし食らったのがきっかけでジムに通うようになった。実際、一時期は結構引き締まった体になったものだが、結局リバウンドで前より体重が増えたような…。しかし当時と違うのは、贅肉の鎧から、多少は筋肉の鎧へ変化していることだ。特に胸が。まあ、マッチョを目指している訳ではないので、あまり意味はないのであるが。
運動は、あなたの期待を裏切りません。
これもひとつの大人のたしなみ。
大人になってもう随分経つが、最近の趣味嗜好で日常に影響を与えるほどの変化をもたらしたものがある。
例えばそれは運動量をさらに増やす。
例えばそれは精神の起伏を激しくさせる。
夏は脱水になりかけるまで歩き、冬は寒い中、鼻水を垂らしながらもひたすら歩く。
何故そこまでするのだと、自問自答しながらも止められない。
運動は、あなたの期待を裏切りません。
こんなにもふくらはぎが太くなったではありませんか。
これもひとつの大人のたしなみ。
たしなみの響き-ポケモンGO
高年齢層向けのゲームと揶揄されているが、酒でもなく、たばこでもギャンブルでもない、新たな大人のたしなみのそれ。
我が家では弟家族もお袋も、皆が皆それぞれのベクトルで闊歩する。不可思議生命体の確保に、ここまで夢中になるとは。ここまで夢中になれるとは。
なんの生産性もないのに。
そして今日も俺は街中を闊歩する。
そして今日も俺は街中を徘徊する。
そう、アスファルトの森の狩人として。
より多くの不可思議生命体を確保するのに、ここより大きな隣市にて徘徊を試みる。
不可思議生命体には色違い(レアカラー)と呼ばれるものが稀に発見されることがあり、色違いの発見、確保が狩人の大きな命題となる。色違いは、狩人たちの大きな精神的充足を生み出す。
特に、ジムと呼ばれる特殊定点に日に数度生まれる「伝説」と呼ばれる不可思議生命体の色違いの確保は、より巨大な精神的充足を生み出すので、狩人は鷹の目になって狩りに勤しむのだが、多人数でないと伝説級の不可思議生命体確保は難しい故、人口減少が甚だしく狩人の人数も少ない我が街より、人口の多い隣市での狩りが効率が良いのだ。
暫くうろうろしていると、とある特殊定点にてそろそろ伝説が生まれる時間。慌てふためき定点まで行けば、数十人の狩人が。これなら狩りも楽だなと考えていた時-。
20代のカップルと思われる女性の方が俺の顔を見るなり、
「あれ! この間ここで一緒にやって(狩りして)、私と(ゲーム内の)フレンド登録していただいた方ですよね! 今日もいらしてたんですね! お互い頑張りましょう!」
…
……
………誰?
ちょっと待て、この間っていつだ? 最近ここには来てないし、女性とフレンド登録なんてした覚えなんて全くないぞ。
俺がアルツのハイマー君化したのかとも考えたが、そんなことないのは、フレンドを確認すれば一目瞭然。
そういや遥か昔、この街でホテルマンをしていた時、同じような経験があった。
あの時も全く知らない名前を出され、何度も何度も否定しても、それでも知らない人間と勘違いされた経験があった。
あの時のドッペルゲンガー。
あの時のドッペルゲンガーよ、また俺の知らないところでお前は俺になっていたのか。
てか、お前も狩人なのかよ。
熟考と過去の憤慨を反芻した後、女性に別人と伝えたが「あまりに似ていたもので」と恐縮された。
大人のたしなみの向こう側、過去の遺物が現れる。
大人のたしなみの向こう側、同じ仮面を持つ男。
大人のたしなみの向こう側、同じ志の猛き狩人。
-そして今回も、色違いは出なかった。
そして明日も狩人は街中を闊歩する。
そして明日も狩人は街中を徘徊する。
運動は、あなたの期待を裏切りません。
昔からで変化したものといえば、
例えば食事の量。
例えば運動の量。
特に運動の量は、若い頃に比べてぐんと増えた。
趣味の献血をしたいのに、肝臓の数値が高くてダメだし食らったのがきっかけでジムに通うようになった。実際、一時期は結構引き締まった体になったものだが、結局リバウンドで前より体重が増えたような…。しかし当時と違うのは、贅肉の鎧から、多少は筋肉の鎧へ変化していることだ。特に胸が。まあ、マッチョを目指している訳ではないので、あまり意味はないのであるが。
運動は、あなたの期待を裏切りません。
これもひとつの大人のたしなみ。
大人になってもう随分経つが、最近の趣味嗜好で日常に影響を与えるほどの変化をもたらしたものがある。
例えばそれは運動量をさらに増やす。
例えばそれは精神の起伏を激しくさせる。
夏は脱水になりかけるまで歩き、冬は寒い中、鼻水を垂らしながらもひたすら歩く。
何故そこまでするのだと、自問自答しながらも止められない。
運動は、あなたの期待を裏切りません。
こんなにもふくらはぎが太くなったではありませんか。
これもひとつの大人のたしなみ。
たしなみの響き-ポケモンGO
高年齢層向けのゲームと揶揄されているが、酒でもなく、たばこでもギャンブルでもない、新たな大人のたしなみのそれ。
我が家では弟家族もお袋も、皆が皆それぞれのベクトルで闊歩する。不可思議生命体の確保に、ここまで夢中になるとは。ここまで夢中になれるとは。
なんの生産性もないのに。
そして今日も俺は街中を闊歩する。
そして今日も俺は街中を徘徊する。
そう、アスファルトの森の狩人として。
より多くの不可思議生命体を確保するのに、ここより大きな隣市にて徘徊を試みる。
不可思議生命体には色違い(レアカラー)と呼ばれるものが稀に発見されることがあり、色違いの発見、確保が狩人の大きな命題となる。色違いは、狩人たちの大きな精神的充足を生み出す。
特に、ジムと呼ばれる特殊定点に日に数度生まれる「伝説」と呼ばれる不可思議生命体の色違いの確保は、より巨大な精神的充足を生み出すので、狩人は鷹の目になって狩りに勤しむのだが、多人数でないと伝説級の不可思議生命体確保は難しい故、人口減少が甚だしく狩人の人数も少ない我が街より、人口の多い隣市での狩りが効率が良いのだ。
暫くうろうろしていると、とある特殊定点にてそろそろ伝説が生まれる時間。慌てふためき定点まで行けば、数十人の狩人が。これなら狩りも楽だなと考えていた時-。
20代のカップルと思われる女性の方が俺の顔を見るなり、
「あれ! この間ここで一緒にやって(狩りして)、私と(ゲーム内の)フレンド登録していただいた方ですよね! 今日もいらしてたんですね! お互い頑張りましょう!」
…
……
………誰?
ちょっと待て、この間っていつだ? 最近ここには来てないし、女性とフレンド登録なんてした覚えなんて全くないぞ。
俺がアルツのハイマー君化したのかとも考えたが、そんなことないのは、フレンドを確認すれば一目瞭然。
そういや遥か昔、この街でホテルマンをしていた時、同じような経験があった。
あの時も全く知らない名前を出され、何度も何度も否定しても、それでも知らない人間と勘違いされた経験があった。
あの時のドッペルゲンガー。
あの時のドッペルゲンガーよ、また俺の知らないところでお前は俺になっていたのか。
てか、お前も狩人なのかよ。
熟考と過去の憤慨を反芻した後、女性に別人と伝えたが「あまりに似ていたもので」と恐縮された。
大人のたしなみの向こう側、過去の遺物が現れる。
大人のたしなみの向こう側、同じ仮面を持つ男。
大人のたしなみの向こう側、同じ志の猛き狩人。
-そして今回も、色違いは出なかった。
そして明日も狩人は街中を闊歩する。
そして明日も狩人は街中を徘徊する。
運動は、あなたの期待を裏切りません。
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